変動費って?
むうぅ~。
どうしましたか?ポチ太くん。楽しそうな顔をして。
楽しくありませんよ~。悩んでるんですよ~(泣
ごめんごめん。ついつい。ほら、悩んでるときこそ、笑いも大切じゃないですか?
ふぐぅ。まあいいです。。
今、半年前と、今月の経営成績とを比べてたんです。
そうすると、売上はほとんど変わらないんですが、利益が落ちてるんです。
それで、なぜかな~って思いまして、自分なりに資料分析してたところです。
おやおや、ちょっと見せてください。
・・・ふむ、なるほど、仕入商品の金額が増えてますね。
何か、思い当たることはありませんか?
う~ん、・・・そういえば、ヘアカラー材を変えましたね。
今流行の、ラメ入りヘアカラー材の取扱いを始めたんです。
ただ、お客さんの評判はいいのですが、仕入単価が従来品の1.2倍もするんです。
それに、取扱いが難しくて、従来品以上に多くの量を使ってしまいますね。。
ふむ。そういうことでしたら、変動費の見直しが必要かもしれませんね。
へんどうひ?
変動費というのは、販売数量などに比例して増減するコストのことだよ。
例えば、ポチ太くんの場合だと、ヘアカラーを注文するお客さん毎に、ヘアカラー材を使うよね。
つまり、お客さんの人数に比例して、ヘアカラーも費消されているわけです。
ほぅほぅ。では、どうすればいいんですかー。教えて!中の人!
中の人って・・。まあいいです。
いろいろアプローチはありますが、まずは、「使用量」の観点からコストダウンを検討してみてはどうでしょうか。
例えば、ポチ太くんがラメ入りヘアカラー材の取扱いに慣れることで、お客さん一人あたり300ccの量が必要だったものを、250ccに抑えることです。
そうすれば、50cc、つまり、約16%のコストダウンになるよね。
なるほど。では、まず自分の腕を磨いて、廃棄ロスを少なくするよう、努力してみます!
その意気や良し!だよ。
【変動費】のお話のまとめ
事業で発生するコストは、大きく分けて、変動費と固定費の2種類に分類できます。
簡単に説明すれば、
- (A) 変動費=販売数量などに比例して増減するコスト
- (B) 固定費=販売数量などに関係なく発生するコスト
です。
まず、変動費から順に見ていきましょう。
変動費には、具体的にどんなものがあるでしょうか。
例えば、以下のようなものです。
- (C) 仕入商品・・・受注毎に、商品の仕入が必要
- (D) 材料費 ・・・製品を作る毎に、一定の材料が必要
- (E) 運賃 ・・・製品を出荷する毎に、運賃が必要
などです。
では、より多くの利益を生み出すためには、どうすればよいでしょうか。
例えば、変動費は、以下の観点から分析が可能です。
- (F) 購入単価
- (G) 原単位
まず、上記Fはわかりやすいかもしれません。
端的に言うならば、「どれだけ、仕入を安くできるか」です。
例えば、1,000円/kg、の材料を、800円/kg、で仕入れたならば、当然コストは下がります。
変動費が上昇している場合、知らずの間に単価が大きく値上げされていないか、チェックしましょう。
一方、上記Gは、製造業に携わったことがある方でなけば、若干わかりにくいかもしれません。
例えば、ある製品を製造するのに、通常1製品あたり:1,000cc/個、のインクが必要になるとします。
ところが、
- ① 不良品が多く発生した
- ② 作業員が未熟で、通常より多くのインク添加が必要となった
などの理由により、インクの無駄遣いが発生しているかもしれません。
このような、無駄の発生を抑えることで、「使う量」を最小限にします。
これが、原単位の改善です。
以上のように、変動費は販売数量等と連動する性質の経費です。
よって、販売数量が多い業種(例えば、薄利多売の業種)等では、そのコスト改善効果はより大きなものとなります。
変動費については、購入単価と原単位に注意しつつ、場合によっては、販売価額の値上げも検討していきましょう。
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