損益分岐点って?(その2)
さて、損益分岐点(その1) の続きですね。ハカセ。
そうだね。
今日のエステは意外と良かった・・・じゃなくて。。採算を分析するには、固定費の考慮も必要ってことだったね。
まず、採算を上げるためには、①売上を上げる、②経費を抑える、の2つの観点から考えるのが簡単だよ。
それでは、①売上を上げる、から見ていこう。
売上か~。商売にとって、永遠の課題ですね。
僕は、「どんどん売れば、おk~」って感じです(キリッ
それも一つの考え方だね。
じゃあ、ここで一つ問題。最近、理容業で、1,000円カットって流行ってるよね。
昔は3,500円位してたと思うけど、どっちが儲かると思う?
フ。ハカセ、僕にそれを聞きますか。
もちろん、3,500円に決まってるじゃないですか!
だって、高い方が儲かるでしょ。
絶対そうですよ~。
果たして、そうかな?
3,500円だと、昔は、1回のカットで、髭剃りも合わせて、50分位お店にいたと思うよ。
でも、1,000円カットだと、10分位らしいんだ。
なるほど・・・ということは・・・分単位の売上だと・・・
3,500円÷50分=70円/分
1,000円÷10分=100円/分
あれ?1,000円カットの方が儲かるの??
この数字だけ見れば、そうなるね。
よし、明日から、1,000円カットにしよう!
ポチ太くん・・・君は・・・ぃや、立派だよ。。(遠い目
損益分岐点のお話のまとめ
売上が損益分岐点に達しない場合、①売上の改善、②経費の改善、の両面から分析できることは、
前回触れました。
まず、①売上の改善、から見ていきましょう。
売上は大きく2つの要素から構成されます。つまり、
- (A) 数量
- (B) 単価
です。
前回の例
をもう一度おさらいしておきましょう。
- 【例】
- (C)メンズエステサービス料: 3,500円/回
- (D)トリートメント・タオル代:1,000円/回
- (E)エステティシャン賃金: 200,000円/月
- (F)専用器具減価償却費: 50,000円/月
この場合、±0円の利益にするためには、100回/月、の売上が必要でしたね。
では、上記Aを上げるためには、どうすれば良いでしょうか。
最も、単純なのは、販売単価を安くすることです。
仮に、200円値引きすると、110回/月、に販売数量が増えるとします。
そうすれば、利益は、
(3,300円-1,000円)×110回-(250,000円)=3,000円>0円
となり、損益分岐点を越えることができます。
つまり、薄利多売により、利益が出るようになった、というわけです。
次に、上記Bを見てみましょう。
販売単価を上げるのは、なかなか至難の業です。
仮に、200円値上げすると、90回/月、に販売数量が減少するとします。
そうすれば、利益は、
(3,700円-1,000円)×90回-(250,000円)=△7,000円<0円
となり、逆に、損益分岐点を下回ってしまいます。
つまり、値上げによる販売数量減少により、利益が出なくなった、というわけです。
このように、数量と単価は、利益に密接に連動します。
最も、多くの利益を出すためには、どのような、数量×単価、の組み合わせが最適なのか、充分に検討していきましょう。
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