損益分岐点って?(その1)
変動費と
固定費のことは、よくわかりました。
ところで、ハカセ。これを利用した、「損益分岐点」というものがあるそうですが、これは何のことでしょう?
おぉ!ポチ太くん。勉強してますね。
ここまで育ってくれるとは、どんなに絵空事・・・あいや、夢見たことか。
損益分岐点はね、簡単に言えば、事業の採算性を評価するときなどに使われる、考え方の一つなんだ。
採算ですか?
そんなの簡単ですよぉ。売値が仕入値より、高ければいいんでしょ?
そうだね。じゃあ、ポチ太くんの場合で考えてみよう。
ポチ太くんは、「メンズエステ」のサービスをやってるよね。
この値段はどうやって決めたのかな?
はい。
エステには、トリートメントが900円と、レンタルタオルが100円、かかります。
なので、1,000円以上の値段にするよう、設定していますね。
なるほど。
では、エステティシャンの人件費や、エステ用器具の減価償却費はどう考えるのかな?
そして、一体、いくつ売れば、また、いくらで売ればよいだろうか?
あ~、それは・・・
まっ、バンバン売れば、何とかなりますよ!
そんな楽観的なところが、ポチ太くんの良い所でもあるんですけどね。。
例えば、先ほどのエステティシャン人件費=500円、減価償却費=300円、とすると、
総額経費=900円+100円+500円+300円=1,800円、として考えるんだ。
そうすると、売値=1,800円以上でないと元が取れない。これも一つの考え方ではないだろうか。
なるほど。固定費のことも考えようってことですね。
ところで、ハカセ。最近、目尻のシワが増えてませんか?(ニヤニヤ
うん、そうなんだよ~。最近、夜更かしのしすぎで・・(ハッ
ヘィ!ぃラッシャーイ!
【損益分岐点】のお話のまとめ
事業の採算性を評価する際、まず、貢献利益の考え方を知る必要があります。
貢献利益は、以下の算式で計算されることがあります。
- (A) 貢献利益=売上高-変動費
変動費については、 ここで説明しました。
貢献利益がプラスであれば、その事業は基本的に継続する方向になると思われます。
しかし、採算を考えるにあたっては、ポチ太くんのケースのように、エステティシャンの人件費や、専用器具の減価償却費等の固定費も考慮した方が、事業の採算性・改善点の発見に役立つでしょう。
さて、では、本題の「損益分岐点」です。
簡単にいえば、
- (B) 損益分岐点=売上と経費がトントンになるところ
です。
では、以下で簡単な具体例を見てみましょう。
- 【例】
- (C)メンズエステサービス料: 3,500円/回
- (D)トリートメント・タオル代:1,000円/回
- (E)エステティシャン賃金: 200,000円/月
- (F)専用器具減価償却費: 50,000円/月
この場合、Cが売上高、Dが変動費、E,Fが固定費となります。
そうすると、貢献利益は、C-D=2,500円/回、となります。
固定費はE+F=250,000円/月、かかりますから、トントンとなるためには、
250,000円÷2,500円=100回/月、の売上が必要となります。
上記の場合は、100回/月、以上の売上を上げることが目標になるでしょう。
では、目標に達さなかった場合、どうすれば良いでしょうか。
大きく分けて、以下の観点から区分できます。
- (G)売上の改善
- (H)経費の改善
詳細は次ページ以降で説明します。
まずは、事業をトントンに持っていくためには、いくらの売上が必要かを計算できるようにしましょう。
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